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揚琴(ヤンチン、ヨーチン)とは… |
揚琴(ヤンチン、ヨーチン)について簡単に説明します。 |
揚琴ミニ解説 |
揚琴(ヤンチン、ヨーチン)について簡単に紹介します |
■“揚琴”て? |
「揚琴」は、中央アジアから東アジア、東南アジアまで広くアジア大陸に伝わり演奏されている民族楽器です。中国では「ヤンチン」と呼び、モンゴル国では「ヨーチン」、朝鮮半島では「ヨーチン」、その他アジア各国でこれに似た名前で呼ばれている、台形型の箱の上に弦が数十本〜200本くらい張ってあり、それを2本の竹のバチでたたく楽器のことです。 (私は日本ではこれらの楽器を全て「揚琴(ようきん)」と日本語読みで呼んでいます。) |
■“揚琴”とはこんな楽器です |
揚琴とは、台形型の木の箱の共鳴胴の上に150本程度の弦が張ってある打弦楽器のことです。専用のバチで音を出します。 その構造は、ちょうどグランドピアノの蓋をあけて中をのぞいた時の様子に似ていますが、それは揚琴のルーツになっている楽器がピアノと同じだからです。 揚琴にはいろいろな種類がありますが、私が使っているタイプは、5オクターブと少しの音域をもち、その音域の中の12平均律のすべての音を出すことができます。 余韻が長く響きが美しいのが特長です。(消音ペダルのついているものもありますが、常に開発されてはいながらも、まだいろいろ不具合があり、基本的にペダルつきの揚琴を使っている奏者は見かけません。ペダルがついていたものを取り外して使っている奏者が多数。)速く細かいパッセージの曲からトレモロを用いて旋律をうたう曲、1人で片手ずつメロディーと伴奏をひきわけるなど、幅広い表現力を持つ楽器です。 |
▲これは402型という揚琴を奏者側から見た所です(2004年6月撮影) ※ただしこれは弾いているところではありません。 |
■揚琴の弦の数について |
揚琴を近くで初めて見られると、決まって弦の数の多さに驚かれますが、楽器によって数はさまざまです。私が以前使っていた上海81型や96型という型番の楽器はかなり多い方の楽器で、全部で175本張ってあります。また、近年使っている402型は160本くらいです。 5オクターブと少しの音域でありながらなぜそんなに多くなってしまうのかというと、複弦構造になっているからです。(複弦というのは、同じ音をとなりあわせに何本か並べて調律されている仕組みの弦のこと。ピアノやマンドリンに同じ仕組みがあります。)高音の弦ほど細く音が弱く、低音の弦ほど太くよく鳴るため、最高音のあたりの高音弦では1つの柱(ブリッジ)に対し5本、低音弦では2本などと数が変わります。複弦だから音は同じとはいえ、調律は1本1本していきます。(同じ音だからこそ正確に合わせなければなりません。) |
■揚琴の調律について |
揚琴はピアノと違って基本的には毎回調律しなければならない楽器です。特に演奏会の前や、他の人と合わせるときには念入りに行ないます。でも、150本以上もあるわけですから、1本にたとえ5秒しかかけずに次々いったとしても15分はかかり、また、厄介なことに150本を締めたりゆるめたりした後には最初の方に調律した部分は150弦の圧力の変化によってまた少しずれていたりするわけで、だいたい30分くらい要します。そういうわけで、揚琴奏者は演奏会が決まると、いつもリハ時間の前に調律の時間があるかな、ということを気にしています。 それから、ホールのステージなどは照明ががんがんと射してきて、それをまっすぐに受けてしまうため、30分も本番の照明にあたっていると温度で調律がくるってきてしまいます。少々のずれは仕方なく我慢しなければならない時もありますが、ときどき1部と2部の間の休憩中などに揚琴奏者が出て行って調律している時などは、そういう事情によります。 ★揚琴の調律承ります 北京型、上海型、古い型、小揚琴など、どんなものでもご相談ください。 ・曲が弾ける程度の状態 6,480円 ・何年も弾いていない等、大幅な調律が必要な状態 8,640円 その他、弦の張り替え、バチのゴムの張り替え等、1本300円〜800円程度で張り替えしています。 楽器をお送りいただくか、出張して調律となります。 メールにてお気軽にご依頼ください。 |
■“バチ”について |
中国語では、「鍵子」「琴竹」、モンゴル語では「ツォヒオル」と一般的に呼ばれています。要するにバチということです。 竹を、職人さんが薄く削って作ったものです。長さは約33cmと決まっていて、弦に当たる部分の4cmほどのみ歯ブラシの毛先の形のように残してあり、チューブのゴムの真ん中を切ったものをつけています。竹をうすく削ったものなので、このバチはしなる特性を持っています。しなり加減は奏者が好きなやわらかさに調整します。 また、ゴムをつけたバチ先の部分にテープや布を貼る人もあれば違う材質の木を少し付けている人もあれば、と奏者の好みの音色を求めていろいろ工夫されています。 |
■揚琴の歴史 |
日本で使われている琵琶や琴や尺八などが、アジア大陸の様々な国を通り変化しながら日本に到着した伝来楽器で、それをさらに日本で演奏する内容に合わせて発展させて演奏する曲も日本の曲になり自国の民族楽器として認識されるようになっていったのと同じように、揚琴は(日本には定着しなかったものの)、ユーラシア大陸を伝来してきてそれぞれの国で今はその国の楽器として演奏されている楽器の一つです。 さてその揚琴の起源となる楽器は、西アジア、ペルシャなどで演奏されているサントゥールという打弦楽器です。揚琴よりずっと小さいですが、台形型の共鳴箱の上に弦が交互に張ってある形は揚琴が今のように大きくなる前の形といえます。 そのペルシャのサントゥールなどが中央アジアの人々の間に伝わり、キルギス、カザフ、モンゴルといった地域に住んでいた中央アジアの民族の間に伝わっていきました。その後、今から800年前から数百年間、現在の中国の国土全てを含むユーラシア大陸の半分以上がモンゴルとなったモンゴル帝国の時代に、数々の文化や楽器と一緒に帝国の東と南の果てまで伝わり、国が中国やタイなど別々の国に変わった後も伝来した民族楽器の一つの揚琴が中国等でそのまま演奏されるようになり継承されていったという歴史になります。モンゴル帝国の時代には、支配下の全ての民族の楽器と奏者を集めて壮大なオーケストラのように演奏することもあり、国境がない状況下では文化は瞬く間に広まったようです。 なお、中国では、揚琴が伝来楽器である名残として、つい数十年前までは、この楽器を「洋琴」と、伝来した外国の楽器であることを中国の漢字で表していました。「揚琴」という漢字になったのは、最近になって、民族意識のため、「洋」を同じ発音の「揚」の字に変えたものです。また、タイでは揚琴は「キム」と呼ばれていますが、伝来した当時とほぼ同じ大きさの楽器が今でも使われています。 現在、日本でも揚琴をする人が少しずつ増えてきましたが、これが日本製の揚琴が普及するようになり、日本で作られた揚琴の曲が多くなり、ようきんという日本語名が一般的になれば、次世紀かその次世紀くらいには揚琴も元々伝来楽器ながら日本の民族楽器の一つとして認識されるようになっていくかもしれません。それとも、いつまでも他の国の民族楽器として他の国の曲だけ演奏する域を脱しないでしょうか? (07年7月、09年9月加筆) |
■中国の揚琴の、“上海型”と“北京型”、モンゴルの“ヨーチン”の楽器としての違い |
中国のヤンチンとモンゴル国のヨーチンはそれぞれ伝来した当初の形から独自の改良を重ね音域を増やしてきたのですが、現在は見た目はほぼ同じようになっています。中国の揚琴は地方によっていくつかの種類がありますが、現在一般的に音楽学院や楽団などで用いられているのは北京型と上海型です。ただ圧倒的に北京型が多いようです。 ここではその中国の揚琴の中でも最も流通している北京402型と上海81型の簡単な違いについて、そして次にモンゴル国のヨーチンについて説明します。 <北京402型> 伝統的な配列スタイルに基づいている。 伝統的な曲や伝統的な音や旋律の展開の曲、中国音楽に多いいくつかの調が弾きやすい。 弦と駒の当たる所の一部に象牙だけでなく堅い金属を入れている。(音色への効果) 銀の弦が張ってあることで音が澄んでいて、アンサンブルなどでは他の楽器によく中和する。 雑音を極力抑えるよう工夫と改良がされている。 温度や湿度の変化による調律への影響をかなり軽減させる改良がされている。 ※現在、北京402型には、ひし形の模様が両側にある古くからある402型と、螺鈿で花の模様が描かれているタイプの402型の主な2種類がある他、低音の音域を少し拡大したもの、丸みを帯びたデザインにしたもの、彫刻をほどこしたものなど、たくさんの種類が出ています。(値段とデザインと音質には相関関係はなく、実際に弾いてみないと楽器の良し悪しが判断できません。) <上海81型および96型> 伝統型をふまえた上で、全部が長二度間隔で音が配列するよう改良されている。 新しい独奏曲や転調の多い現代の曲が弾きやすい。 ニュアンスの変化や強弱の差がはっきりと出せるが、構造上の複雑さゆえの雑音が多い。 駒と弦の間は象牙。 温度や湿度に非常に敏感でピッチが変わりやすい。 中国の通常の揚琴の中では最も大きい。 <モンゴルの“ヨーチン”> モンゴル国ではサントゥールにほぼ近い形から、自分たちの演奏するほかの楽器に合う音が出るように弦を増やしたり独自の並べ方に変化させ、台形の共鳴箱も大きくしてきましたが、現在は改良の末、形は402型とほぼ同じものをモンゴルの調律方法で使っています。楽団などでプロの演奏家たちが使っているヨーチンは、モンゴル製の402型または中国から輸入した402型の揚琴をモンゴルの調律にしたものです。 (以上、04年4月UP、05年2月、07年7月、09年9月加筆) 揚琴に興味ある方、教室も開いています。くわしくはこちら |
■中国のヤンチンとモンゴルのヨーチンの演奏内容としての違い |
<中国の揚琴“ヤンチン”> 伝統的には数種類の流派があり、それぞれの地域でそれぞれの演奏方法と曲を演奏してきましたが、現在通常ヤンチン奏者というと、その全ての地域の伝統曲を大体理解し演奏できるように基礎として学んだ上で、1900年代後半以降から盛んに作られている中国人により作曲された揚琴独奏曲や民謡や民間伝承曲を現代コンサート用に編曲した曲などを演奏しています。 楽譜は導入の時には日本でも使われているドレミを123に置き換えた数字譜を使っていますが、音楽大学に入り専門的に学ぶような人では、数字譜と五線譜の両方読める場合が多いです。数字譜に様々な記号を作り、中国独特の奏法を体系化して記しているので、楽譜を見て大体のことは想像できるように書いてあります。 古くはヤンチンは民間のアンサンブルの中で指揮者の役割を半分になった楽器として演奏されてきましたが、現在ではアンサンブルの他、独奏や伴奏としても演奏できるようになっています。 <モンゴル国の揚琴“ヨーチン”> 伝統的には民間アンサンブルの中で、ホーミーの伴奏をしたり、馬頭琴や笛や琴などの様々なモンゴルの民族楽器のアンサンブルの1楽器として民謡や伝承曲などを演奏してきましたが、現在、専門家が音楽大学で学びステージで演奏するようになってからは、民謡を奏者によるマニュアルをつけて演奏する伝統的な民謡曲のほか、1900年代以降にモンゴル人により盛んに作曲されたヨーチン独奏曲やコンチェルトや、クラシックのコンチェルトや名曲等もよく演奏しています。 楽譜は伝統曲も作曲された曲も五線譜のみを使っていますが、五線譜で書けるのは基本的なメロディーの一部といった感じで、民族的な表現特徴はクラシックの五線譜では書ききれないルールなどが多く、そういった細かい音楽内容(ニュアンスやマニュアルという)は師から隣で演奏する様子を見て聞いて感じる中で体得します。 また、作曲されたモンゴル民族楽器アンサンブルやオーケストラの中でもヨーチンは欠かせない楽器の一つとなっています。 |
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■揚琴の仲間の楽器 |
揚琴は楽器学上、「打弦楽器」に分類されます。 弦をたたく、という分類をされる打弦楽器の代表的な楽器といえば、機械じかけの打弦楽器「ピアノ」で、現存するあらゆる打弦楽器はみなピアノとつながりがあります。 国際的には打弦楽器は「ダルシマー」と呼ばれていますが、その仲間としては、インド、イラン、ペルシアなどの「サントゥール」、スイスなど中央ヨーロッパの「ハックブレット」、ハンガリーなど東ヨーロッパの「ツィンバロン」、アメリカなどでの「ダルシマー」、また、揚琴とまとめられるものとして、朝鮮半島、モンゴルなど東アジアから中央アジアでの「洋琴(ヨーチン)」などがあります。 どの楽器も、台形の箱型の共鳴胴の上に駒がつき、弦が交互に数多く張られ、木のバチでたたいて演奏します。(バチは中国、モンゴル国の物だけが竹製です)。 |
■現在の揚琴開発状況実態 |
こんな揚琴が作られています。 「高音揚琴」「低音揚琴」…揚琴大合奏をしたり新しくこの揚琴のために作られる曲を演奏するのに使われていくようです。 「ペダル付き北京型揚琴」…ツィンバロンのように音が鳴った後消音するペダルがついた揚琴。弦の下に消音するための物がついていて、ペダルで動作します。すでに販売はされていますが、まだ開発段階ということです ※上海型でもすでにペダル付きはありましたが、逆に雑音を増やすという副作用で、取り外している奏者がほとんどなのが現状です。 「大揚琴」…ツィンバロンにそっくりの外見で、音域を拡大しペダルをつけた揚琴。バチも大揚琴専用の物を使うそうです。 「上海96型揚琴」…もう出来上がってからだいぶたち、流通もしています。81型の改良型というべきスタイルで、81型のペダルをとり、弦は北京402のような銀弦を張り、雑音もできる限り少なくしています。弦と駒の間に金属をつけている部分もあります。音色は81型より良いが、余韻が奏者の方に返り、長過ぎて、客観的に弾くことが難しく感じます。 (以上、04年8月UP) |
次回の更新をお待ち下さい…。 |
■揚琴の特殊奏法 |
準備中。 |
■揚琴教室 |
揚琴の素晴らしさをより多くの人に知ってもらえるように、 大阪、梅田から10分ほどの、阪急宝塚線「庄内」駅すぐの揚琴教室で、揚琴の個人レッスンを行なっています。 揚琴や中国音楽、モンゴルの民族音楽に興味をお持ちの方、二胡の伴奏や中国楽器、モンゴル民族楽器のアンサンブルができるようになりたい方など、お気軽にご連絡ください。 楽譜が読めない方でも、始めて楽器をされる方でも、安心して学んでいただける教室です。 また、何かの楽器の経験者の方などには、そのレベルに合わせたところからレッスン開始いたします。 また、年に2回、発表会をおこなっているので、希望者の方には出演していただけます。
※揚琴をお持ちでない方には楽器のレンタルもあります。 ・・・レンタル料:5,000円/1ヶ月 ●*楽器を購入されたい方はご相談ください。よい楽器の選び方のアドバイス等しています。 ♪体験レッスンも可能です。メールいただきましたら可能な時間をご連絡いたします。 レッスンご希望の方、またはご質問等ございましたらやまもとへメールにてお気軽にご連絡ください。お待ちしています! |
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